点字と墨字、朗読と音訳


点字に対して、印刷された読み物、筆記用具を使って書かれた文章を墨字(すみじ)と言います。墨字を目で読み取りづらい方々への情報保障形態のひとつとして、音声化することを音訳といいます。

文芸作品などを声に出して読む朗読との違いは、音訳は墨字表現との同一性が求められることです。感情を強く込めたり声色を使う表現は、音訳する人の解釈が入ることになり、墨字を読む人と同じ条件で本が読めないことになりますので、ここは意識しながら音訳するよう心がけています。

 


耳で聞く情報


世間での典型的なイメージは「視覚障害者=全盲=点字」ですが、実際には視覚障害者の7割は弱視の方です。また病気や事故による中途視覚障害者や盲学校に行かなかった方も多く、点字の普及率は決して高くはありません。耳で聞く音訳は、誰にでも利用することができます。


音訳の実際


音訳をするにあたって、固有名詞の読み方など下調べが大切ですが、耳で聞いてわかる読み方をするには、発声や発音、アクセント、間の取り方などに工夫が必要です。表やグラフ、地図なども、読みだけで正しく伝えるのは、とてもむずかしく、日々勉強です。
録音はアナログのカセットテープから、デジタルへ移行しました。 DAISY(デイジー)図書といって、主にCDに録音されています。
私たちは、一冊でも多くの図書を少しでも早くお届けしたいと願って活動しています。